特定社会保険労務士 ふるかわ事務所 代表 古川武人

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新着情報

2019年04月23日(火)

フレックスタイム制を使いこなすのは優秀な人材の証拠!

2019年4月施行された改正労働基準法のうち、フレックスタイム制に関する改正内容は、企業にとっては優秀な人材を見極めるチャンスであり、適用される従業員にとっては自らの高付加価値を売り込むチャンスになります。

ネットで「フレックスタイム制のメリット、デメリット」を検索すると思い当たるメリデメが多く掲載されていると思いますが、私は優秀な人材だからこそフレックスタイム制を使いこなせるのだと思います。

フレックスタイム制を使いこなせる人材は、企業の将来を担う人材です。

 

なぜ?

 

私は、今回の改正の目玉は次の2つと考えます。

①清算期間の上限が3ヶ月に延長された。

清算期間が従来の1ヶ月以内だけでなく、1ヶ月を超え3か月以内に延長されたことにより、総労働時間の調整が四半期単位でできることになりました。そのため四半期業績に伴う業務の繁閑を調整しやすくなりました。

②週休2日制の企業の清算期間における法定労働時間の総枠が分かりやすくなった。

従来は、「1週間の法定労働時間(特例措置対象事業場を除き40時間)×清算期間の暦日数/7日」により月の暦日数ごとに複雑な計算と運用をしていましたが、労使協定により「清算期間内の所定労働日数×8時間」を法定労働時間の総枠とすることができるようになりました。

 

「フレックスタイム制は、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることによって、生活と業務との調和を図りなら効率的に働くことができる制度です。」(厚生労働省による解説)

 

注意が必要なのは、フレックスタイム制を適用する業務、組織、従業員の範囲を吟味することです。

フレックスタイム制が適用された従業員は、担当業務のスケジュール管理と臨機応変な時間管理ができないと本来の機能が損なわれます。

逆に優秀な人材を育てるためにフレックスタイム制を適用し、使いこなせるように育てることも必要かもしれません。

なお、恒常的に特別条項を適用するほど時間外労働が多い場合は、フレックスタイム制を適用する前に業務の棚卸による改善が必要です。

 

フレックスタイム制を有効に活用する従業員は、業務の生産性が高く、自らを高める時間を持ち、さらに生活との調和にも優れている者と考えられます。

このようにフレックスタイム制を使いこなす人材が多い企業の将来は明るいと言えます。

 

法改正後のフレックスタイム制の内容と実務対応の詳細は、以下のURLから厚生労働省が作成した「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」をご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf#search=%27%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E5%88%B6%E3%81%AE%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%86%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D%27

 

以下では、厚生労働省のモデル就業規則をベースにして「フレックスタイム制を導入した就業規則の条項」および「3ヶ月のフレックスタイム制に関する細則」の案をご提示します。

なお、労使協定は細則をベースに作成いただけますので掲載は省略します。

 

厚生労働省モデル就業規則URL:

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

 

就業規則

(労働時間及び休憩時間)

第19条 労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。

2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。

 

始業・終業時刻

休憩時間

始業:午前  時  分

終業:午後  時  分

 時 分から 時 分まで

 

3 業務の都合その他やむを得ない事情により、始業・終業の時刻及び休憩時間を繰り上げ、又は繰り下げることがある。この場合、前日までに労働者に通知する。

4 労働者は、休憩時間を自由に利用できる。

5 業務上必要な場合は、所定の手続きを経て、労働者の全部又は一部につき、フレックスタイム制または変形労働時間制を適用することがある。この場合の労働時間等については別に定める。

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3ヶ月のフレックスタイム制に関する細則

(目的)

第1条 この細則は、終業規則第19条第5項に基づき、フレックスタイム制について定める。この細則に定めのない事項については就業規則及び法令の定めるところによる他は、労使で協議する。

 

(適用範囲)

第2条 対象者は、別表に定める組織又は労働者を除く、すべての労働者とする。

 

(清算期間)

第3条 清算期間は、4月1日から3カ月ごとに区分した期間の開始日から終了日までの3か月間とする。

 

(清算期間における所定労働時間)

第4条 各清算期間における所定労働時間は、就業規則に定める所定の勤務時間に当該清算期間中の勤務日数を乗じて得た時間とする。

当条における勤務日数とは、当該清算期間の暦日数から、休日、指定休日、振替休日の合計日数を減じ、振替出勤の合計日数を加算した日数とする。

 

(標準となる1日の勤務時間)

第5条 標準となる1日の勤務時間及び標準勤務時間帯は次のとおりとし、年次有給休暇、その他特別休暇等については、この時間の勤務とみなす。なお、半日の休暇において、午前半日は〇時間、午後半日は〇時間の勤務とみなす。

 

勤務時間

標準勤務時間帯

始業時間

終業時間

8時間

午前9時

午後6時

 

(勤務しなければならない時間帯)

第6条 必ず勤務しなければならない時間帯(コアタイム)は午前11時から午後3時までとする。

特別な事情がある場合には、標準勤務時間帯の範囲内でコアタイムを繰り上げ又は繰り下げることがある。

 

(選択により勤務することができる時間帯)

第7条 労働者の自主的決定により選択勤務することができる時間帯(フレキシブルタイム)は次のとおりとする。

(1)始業時間帯:午前7時から午前11時

(2)終業時間帯:午後3時から午後10時

 

(複数の時間帯による勤務)

第8条 別に定める組織については、業務上の必要性に応じて、第6条、第7条の規定にかかわらず、次の勤務時間帯により勤務することとする。

Aシフト コアタイム 午前〇時から午後〇時
フレキシブルタイム 午前〇時から午後〇時までと

午前〇時から午後〇時まで

Bシフト コアタイム 午前〇時から午後〇時
フレキシブルタイム 午前〇時から午後〇時までと

午前〇時から午後〇時まで

 

(休憩)

第9条 休憩時間は、就業規則に定めるところにより正午から午後1時までとする。

 

(遅刻・早退)

第10条 遅刻・早退は、コアタイムを対象に管理する。

 

(コアタイムに勤務しなかった場合の取扱い)

第11条 コアタイムに全く勤務しなかった場合は、欠勤の取扱いとし、当該清算期間中の勤務時間に算入しない。

 

(労働時間の清算)

第12条 各清算期間終了時における労働時間の清算は、次の各号に定めるところによる。

(1)各清算期間における所定労働時間を超過した労働時間は時間外勤務とし、(給与規程)に定めるところにより時間外勤務手当を支給する。時間外労働時間の取扱いは次のとおりとする。

ア.各清算期間における所定労働時間を超過した部分は時間外労働時間とする。

イ.各清算期間のうち、1ヶ月ごとの労働時間が週平均50時間となる労働時間を超えたときは、その月の当該超えた時間を時間外労働時間とし、当該超えた時間は、上記ア.の時間外労働時間から控除する。

(2)各清算期間における所定労働時間に不足が生じた場合には、当該時間について次の清算期間に繰り越して必ず清算しなければならない。ただし、繰り越しは次の清算期間までに限るものとし、さらに不足が生じた場合には、時間数に応じて欠勤に準じた給与控除を行う。

 

(勤務管理)

第13条 フレックスタイム制適用者の勤務管理は次のとおりとする。

(1)労働者は、各清算期間における所定労働時間を基準として、自らの能力を十分発揮し、その業務の遂行を完遂し、かつ、自らの生活との調和を図り、所定労働時間を管理しなければならない。

(2)労働者は、フレックスタイム制の運用にあたって、所定労働時間に不足が生じないよう自主的な管理をしなければならない。

(3)労働者は、所属する組織において、業務に支障を来さないようにスケジュール管理をしなければならない。

(4)労働者は、研修参加、出張、会議等業務上の必要が生じたとき、フレキシブルタイムであっても所定の業務に従わなければならない。

 

(別表)

フレックスタイム制適用非対象組織と適用シフト

 

 

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