2018年10月03日(水)
「働き方改革」関連法は何から手を付けるか?
「働き方改革」関連法は2018年7月6日公布され、来年2019年4月1日から順次施行されます。70年ぶりの労働基準法改正をはじめとする大改正により、企業として実務上の対応が目白押しですが特に優先されるのは「労働時間管理」です。
長時間労働の是正を目的とした法改正においては2019年4月1日(中小事業主は一部2020年4月1日)から管理監督者を含むすべての労働者の労働時間を適切な方法で把握、記録、保存し、管理する必要があります。
法改正により要請される複雑な管理方法は、タイムカードと紙ベースによる管理をされておられる企業であればRPAクラウドシステム等新たなIT導入をお勧めします。また、勤怠管理システム導入済であっても時間外・休日労働協定(36協定)が特別条項付き協定である企業は、大幅なシステム改定が必要になります。
中小企業・小規模事業者の方は、IT導入補助金の三次公募の交付申請期間中ですので、IT導入支援事業者に相談されてはいかがでしょうか。IT導入補助金の詳細は、以下のURLをご確認ください。
https://www.it-hojo.jp/procedure/
政府が進める働き方改革実行計画のうち、実務上の「労働時間管理」に影響する「長時間労働の是正」と「柔軟な働き方がしやすい環境整備」に関する主な改正等は以下のとおりです。
項目 | 改正法等 | 主な改正内容等 | 施行日等 |
長時間労働の是正 | 労働基準法 | ・時間外労働の上限規制 | ・2019年4月1日施行
・中小事業主 2020年4月1日施行 ・適用除外業務等(自動車運転業務・建設事業・医師等)への上限規制猶予措置の廃止 2024年4月1日施行 |
・年次有給休暇の時季指定義務 | 2019年4月1日施行 | ||
・フレックスタイム制の清算期間の延長 | |||
・高度プロフェッショナル制度の導入 | |||
・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の中小企業への適用猶予措置の廃止 | 2023年4月1日施行 | ||
労働安全衛生法 | ・労働時間の状況把握義務
・医師による面接指導 |
2019年4月1日施行 | |
労働時間等設定改善法 | ・勤務間インターバル制度導入の努力義務 | 2019年4月1日施行 | |
柔軟な働き方がしやすい環境整備 | 情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン | ・雇用型テレワーク | 2018年2月策定 |
副業・兼業の促進に関するガイドライン | ・副業、兼業 | 2018年1月策定 |